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さらしや商店街

〜いいモノだけを世界から〜

苦しむ自尊心小説「何者」

新卒採用は売り手市場らしいですが、大手や人気職種となると話は別というのは今も変わらないようです。やがてベンチャーや起業するとしても、大手経由だと規模や業務フロー、ノウハウや条件面で有利なのは間違いないでしょう。

「何者」は、若者たちの就活話と思わせつつ、Twitterを上手く使って、人の本音と建て前を表現している小説です。向かい合って口から出る言葉は建て前で、Twitterに書き込む内容は本音というように、普通なら心の中で完結することをTwitterを介して友人が見ることができるという前提が本作を魅力的にしています。

主人公は就活が進むにつれて、内定を取得した友人とそうでない自分との差に悩み、友人を否定することで自尊心を保っていきます。その過大すぎるコンプレックスの正体が、終盤で明らかになる手法は見事です。同じようなコンプレックスを抱いている人たちにとっては、凄く共感できる内容ではないでしょうか。

一つ気になった点としては、本作の登場人物たちが人の本質を捉えるのが少し上手すぎることでしょうか。これだけできるなら、就活苦労しないよと思いました。また、恋愛要素を期待すると肩透かしを喰らいます。

コンプレックスを抱える就活生(元含む)に読んでほしい商品です。

 

何者 (新潮文庫)

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